動けないほどの激痛…狭心症のケースも「背中の痛み」

Aさん(43)は自営業者。ある朝、彼の背中を痛みが襲った。左右の肩甲骨の真ん中あたり。痛みは次第に大きくなり、数分後には動けないほどの激痛に…。そしてこの痛みが、彼に思いもかけぬストレスを与えるのだ。

 原因が思い浮かばないAさんは、1時間ほど横になっていた。しかし、痛みは引かず、知り合いの整形外科医にメールを出すと、すぐにその医師から電話がきた。

 「背中の痛みは危ない。狭心症かもしれないから、すぐに検査に来い!」

 驚いたAさんは、取引先の各社に、「狭心症の可能性があるので今日と明日は臨時休業させてほしい」と連絡。知らせを受けた取引先でも心配して、「無理せずゆっくり休んでください」「ウチが無理をさせたせいでは?」と、心温まるお見舞いのメールが届いた。

 一日休んで翌日、症状は少し和らいだものの痛みはあり、ついに病院を受診。覚悟ができていたAさんは、狭心症ならば心臓カテーテル治療も辞さないつもりでいた。ところが診断の結果は「ただの筋肉痛」。寝違えたか何かしたのだろうとのことで、命にはまったく別条はなかった。

 本来なら安心すべきところだが、Aさんは青ざめた。取引先は大病だと思っている。今さら筋肉痛とは言い出せない。言い訳を考えながら家路につく彼の背中は、さっきまでの比ではない激痛になっていたのだ。

 この状況を、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院整形外科の鈴木一秀医師が解説する。

 「元々あった筋肉痛が、心配事による精神的ストレスで悪化することは珍しくなく、特に痛みに敏感な人にはよく見られます。原因の心配事がなくなれば痛みも引いていきます。ただし、肩甲骨の周辺の痛みというのは、狭心症はもちろん、頚椎の神経障害など深刻な原因が考えられるので甘く見ることはできません。Aさんがすぐに検査をしたのは妥当な選択です」

 さてAさん。このまま軽快してしまったのではカッコがつかないから、せめてカゼでも引こうかと、裸でクーラーの前に座っているという。なんとも愚かな考えだが、ばかはカゼをひかないから心配はなさそうだ。


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